【やおよろずの扉】|vol.1「長野のえびす様」

中綱湖

日本各地、数多におわす八百万の神々。
信州はその地形や自然もあいまって、様々な言い伝えや行事が各地に深く根付いています。
そんな信濃の国に伝わる神々の伝説の中からとりあげるのは、えびす様。
信州各地にえびす様ゆかりの神社や祭りがありますが、今回は長野市に焦点をあてて紹介します。



恵比寿様_生成AI蛭子神
(ひるこ/えびすのかみ)
【profile】
古事記や日本書紀に登場
漁業・農業・商売の守護神、通称恵比寿様。


 

蛭子神/恵比寿神/事代主神とは


伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)の子で、
生まれてすぐに海に流されましたが、のちに漂着し福の神となったと伝わっています。
事代主神(ことしろぬしのかみ)と同一とされる説が多いです。
これには諸説ありますが、この記事でも同一として紹介していきます。
七福神のうちの一人で、その中でも唯一日本生まれの神様とされています。
EBISUにこやかな笑顔をたたえ、右手に釣竿、左手に鯛を抱えている姿が一般的


神無月と出雲の国

えびす様やえびす講を語る上で、まず知っておきたいのが、出雲大社の神議りについてです。

旧暦十月

秋風が吹き、稲穂が黄金に輝く頃―
全国の社々から、八百万の神々は出雲の地へ旅立ちます。

古来から旧暦十月に、日本全国にいる八百万の神が出雲大社で神議り(話し合い)すると言われてきました。

家々や村を守る神々が、こぞって留守になるこの時期を、人々は「神無月」と呼ぶようになりました。

けれど出雲の国だけはちがいます。
神々が集い、縁を結ぶ大いなる会議が開かれる―ゆえに出雲では「神在月」と呼ばれています。

自由に旅行が楽しめるようになった近年では、人々も神々の後を追うように、この時季の出雲へ多く訪れるようになりました。
御本殿・拝殿@P1130324出雲大社 御本殿(奥)・拝殿(手前) 

この先一年を決める、重要な会議『神議り』

日本海に面した稲佐の浜、神話「国譲り」※の舞台としても知られる場所。(国譲りについては下記)
国から来た神々は、海から訪れ、この浜に到着するとされています。
稲佐の浜神話「国譲り」の舞台としても知られる稲佐の浜

出雲大社の神官が松明を掲げ、神々を迎えます。

「神迎え神事」をおこない、出雲大社の境内の「神々のお社(十九社)」へお連れするのです。
神迎え神事3923@IZM202106_033神迎え神事

その十九社にて、「神議り(かみはかり)」と呼ばれる会議が開かれます。
「誰と誰を結び合わせようか」
「来る年の収穫はいかにあらん」
「人々の寿命は、いかほどに延ばすべきか」
この先の1年の人の世の未来を左右する話し合いが行われます。

東十九社3925@IZM202106_03519枚の扉があることに由来する神々のお宿、十九社

 

留守を守る、有難い神様

神無月は神様が出雲以外からいなくなってしまうのかというと、そうではありません。
全国各地の神々が不在になってしまうのはいけないとその集まりには参加せず、留守を守ってくださる留守神様がいらっしゃいます。
それが七福神の一人で、商売繁盛の神として知られる"えびす様"。
他の神々が出雲に出かける中で、恵比寿神だけが地域に残り、人々の商売や豊作を守護する存在として重要視されるようになりました。
(諸説あり、遅れて出雲に訪れる神で最後まで福を授けるともいわれます)

こうしたことから、神無月明けの11月にはその土地を守ってくださる恵比寿神に感謝するため「えびす講」が盛大に行われるようになったと考えられています。
西宮神社長野市の西宮神社では、えびす講の時期になると多くの参拝者が詰めかけます

えびす様に感謝を、漆黒のパレットに描かれるあざやかな花火

長野市では、そのえびすの神に誠意と感謝の意を表し、えびす講の景気付けをしようと、始まったものがあります。
それが11月下旬に行われる、長野えびす講煙火大会です。

「11月の花火大会」と言うと珍しいと思われるようですが、私たち信州の人間にはとても慣れ親しんだ花火大会です。

漆黒に澄み切った空に打ちあがる花火はとても色鮮やかで、キリっとした空と空気の中で見るのは夏とはまた違った、楽しみです。

えびす講_グランプリ前島節治線消寒いので防寒対策はしっかりと

夏との違いは花火以外にも。
11月下旬は長野市内も冷え込みます。
ダウンやマフラー、ブーツ必須で会場に出かけるわけですが、我々地元民の中にはツワモノも沢山います。
こたつを土手まで運んでこたつに潜りながら見たり、おでんや鍋を囲んで見たり、、、是非私もいつかは挑戦してみたい!!
楽しみ方は様々で、でも毎年楽しみにしているのは皆同じなんだなぁと実感します。
えびす講_準特選1江口文夫

信州の皆さまも、県外の方々も今年は(も)えびす講煙火大会を楽しみましょう!
秋の長野県はリンゴやきのこ、栗、信州そばなど、この収穫の時季に食べられる美味しい山の幸がいっぱい!
「花より団子」ではなく、信州の花も団子も是非一緒に楽しんでくださいね。

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